お給料を守る対策方法 一人親方によるピンハネは法律に反するの?

この記事はこんな方におすすめです

お給料を守る対策方法が知りたい一人親方さん

「親方からピンハネされているのでは?」「ピンハネは法律違反ではないの?」と思ったことがある一人親方さん

従業員を雇おうかと考えている一人親方さん

 

人を雇用するのではなく外注したり、親方・子方の関係で仕事をするケースも多い建設業。
そこでよく問題に上がるのが「ピンハネ」です。
「親方からピンハネされているのでは?」「ピンハネは法律違反ではないの?」と不満や不安を抱く方もいるのではないでしょうか。
なお、この記事では建設業に従事する個人事業主なども含めて、広く一人親方としています。

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1.そもそも「ピンハネ」とは…

他人が手に入れるはずの金銭や財産を一部抜き取り、自分のものにする行為。
ビジネスにおいては、給料の一部を事業主などが搾取する行為を指し、「中間搾取」とも呼ばれます。
「ピンハネ」「中間搾取」は違法行為です。労働基準法第6条では、
以下のような規定があります。…「何人も、法律に基づいて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない」
違反した場合の罰則は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金刑です。(労働基準法第118条)

2.一人親方による「ピンハネ」は違法ではない?

一人親方の場合に当てはめてみましょう。
例えば…
Aさんは一人親方のもとでアルバイトしている。一人親方は元請会社に1日18,000円を請求しているのに、
Aさんには日当12,000円しか支払われない。1ヶ月で、差額6,000円×5日間=3万円もピンハネされている。

このように、元請会社から一人親方に支払われている金額と、その一人親方から自分に支払われた金額に大きな差額がある場合が考えられます。

しかし、これが違法とされている「ピンハネ」に該当するかどうかは慎重に判断しなければなりません。 一人親方の「ピンハネ」が違法かどうか確認するポイントを見ていきましょう。

★確認ポイント★
・金額がなぜ少なくなっているのか?
単純にもらった金額が思ったより少ないからという理由で「ピンハネ」と判断するわけにはいきません。

・必要な人材を募集・管理するには手間だけでなく、さまざまなコストも発生する
・元請会社からの支払い=日当(自分に支払われる金額)とは限らない
一人親方は事業をやりくりするために、元請会社の支払いから経費を引く必要があります。
元請会社からの支払い金額全額をもらえるわけではありません。

以上の確認ポイントより、大抵の場合、Aさんのようなケースは法律違反にはあたりません。
元請会社から一人親方に支払われる18,000円は、必ずしもAさんの日当とは限らないからです。
実は必要経費が引かれていただけというケースも多いのです。
一人親方が諸経費を考慮して元請会社に請求しているとも考えられます。
そのため、不当な「ピンハネ」にあたり法律違反であると司法などで判断されない限りは、一人親方による「ピンハネ」に違法性は認められません。

 

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3.一人親方が「ピンハネ」していると感じたら…

① 金額がなぜ少なくなっているのか、具体的な理由を確認する
(明細をもらい内訳を確認する)
事業主である一人親方は確定申告をする必要があり、必ず帳簿をつけています。収支をきちんと管理していれば、
差し引く費用の内訳や使い道などはわかるはずです。

② 労働基準監督署に相談する
一人親方に直接確認することができないなら、労働基準監督署に相談してみましょう。
労働基準監督署は、事業主が労働基準に違反した際に指導・勧告がおこなえる機関です。
違法と判断された行為に対して適切な対応をしてくれます。
一人親方との契約書や「ピンハネ」を疑った理由を箇条書きにまとめてから相談窓口へ行きましょう。

「ピンハネ」と思っても、それが違法とされている「ピンハネ」に必ずしも該当するとは限らないため注意が必要です。
「親方からピンハネされているのでは?」と疑念を抱いたままでいると、仕事に支障をきたすこともあります。
また、最初から疑ってかかると一人親方との関係が悪化し、失職の可能性もあります。
「ピンハネ」かどうかをしっかりと確認し、正しく対処することが大切です。

4.参考 一人親方が従業員を雇ったときには様々なコスト

必要な人材を募集・管理するのにはさまざなコストが発生すると前述しました。
もし、一人親方が従業員を雇ったら、どのようなコストが発生するのでしょうか?

・各種保険へ加入させる ※ 個人事業主の場合は以下5つ
健康保険:常時5人以上従業員を雇う場合、協会けんぽか健康保険組合に加入
事業主として、従業員の保険料を一部負担する
介護保険:40~64歳まで加入の義務がある
健康保険と同じく、事業主が保険料を一部負担する
厚生年金:常時5人以上従業員を雇う場合、厚生年金への加入義務がある
事業主として、従業員の保険料を一部負担する
雇用保険:雇う人数にかかわらず、加入義務がある
労災保険:雇用主側が全額負担

・交通費→従業員の通勤費や仕事場までの移動費(業務用の車・ガソリン代)
・事務所代→休憩・ミーティングのスペース 倉庫
・通信費→仕事で使う携帯・スマートフォン等

多くのコストは経費に計上できますが、従業員を雇えば支出が増えることに変わりありません。
コストだけでなく、各種保険加入の手続き、教育・指導、勤怠管理、給与計算、トラブル対応などの手間もかかります。

※一人親方様が年間延べ100日以上従業員を雇う場合(同居の親族以外)、
その一人親方様は労災保険の切り替えが必要です!!(一人親方の労災保険特別加入から中小事業主の労災保険特別加入への切り替え)

 

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監修者の紹介

林満

RJCグループ アドバイザー

林 満

はやし みつる

1971年に労働省(現厚生労働省)愛知労働基準局に入局。その後、労働基準監督署にて労災補償および適用業務の実務を担当。2002年に愛知労働局労災補償課 職業病認定調査官、2011年に同局労災補償課 調整官などを歴任。2022年の退職に至るまで、50年以上にわたり労災保険の実務に携わってきた労災保険業務に関するエキスパート。
現在は、RJCグループアドバイザーや大手ゼネコン竹中工務店名古屋支店 労災業務を担当しながら、労災保険特別加入制度の普及や災害防止活動に取り組んでいる。
   
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