3分でわかる一人親方労災保険

建設業の一人親方労災保険の特別加入制度について説明します。

労災保険は、本来、労働者の業務または通勤による災害に対して保険給付を行う制度です。

しかし、労働者以外でも、その業務の実態、災害の発生状況などから、労働者と同じ程度に保護することが必要な一定の人がいます。

その人たちの中でも、建設業に従事する一人親方さんは、特別に労災保険に任意で特別加入することを認められています。

これが「特別加入制度」です。

要約すると「特別加入とは、労働者ではない個人事業主が労災保険に任意で特別に加入することができる」制度です。

特別加入を希望する建設業に従事する一人親方さんは、以下をお読みいただき、労災保険の特別加入制度についてご理解いただき、一人親方労災保険に特別加入してください。

建設業とは?

建設業とは、土木、建築、その他工作物の建設、改造、保存、原状回復、修理、変更、破壊もしくは、解体またはその準備の事業を指します。

※ 保守、点検、修理、メンテナンス、検査、工場内での製作のみに従事されている場合は建設業に該当せず、補償対象外となります。

一人親方とは?

一般的に、一人親方とは弟子を持たずに一人で仕事をする個人事業主を指す言葉です。
一人親方とは以下の1~3のいずれかの方を指します。

  1. 労働者を使用せず、会社に雇用されずに個人で仕事を請け負っている方。
  2. 労働者を使用していても使用期間が年間100日未満見込みの方で、請負契約で仕事をしている方。
  3. 同居かつ同一生計の家族のみで請負契約で仕事をしている方。

労働者災害補償保険法(以下「労災保険法」といいます。)でいう建設業の一人親方等とは、建設業に従事する個人事業主およびその同居の親族をいいます。

この一人親方等のうち「等」に含まれる方が同居の親族を指しています。

一人親方さんが個人事業主であっても、株式会社のような法人であっても同居の親族だけで仕事を請け負っている建設工事に従事する一人親方さんとその親族は、特別加入することができます。

建設業の一人親方さんで従業員を雇っている場合は、労災保険がおりないと言われる専門家もいます。この説明は、半分はあっていて半分は間違っています。

建設工事現場で作業をする従業員を雇っている場合、建設業の一人親方労災保険に加入していても労災保険の補償を受けることができません(加入することは自由です)。

ただし、パートで事務員を雇っている場合は、一人親方さんが労災保険に特別加入していれば、建設工事現場でケガをしたとき労災保険の補償を受けることができます(事務のパートさんには、事務所の労災保険をかけておく必要があります)。

建設業の一人親方さんは工事現場で建設工事に従事していることが労災保険に特別加入する要件となっています。

労災保険法でいう建設業の一人親方労災保険は、任意で加入することができる制度です。

任意ですから、建設業に従事していなくても労災保険に特別加入することができますので、この点は注意が必要です。

一人親方や株式会社などの役員等は、労働者を保護する労災保険の対象外となります。

そのため、建設現場での労働災害についての補償がありません。

特別加入していない場合、建設現場へ入れないことがあります。

通常の労働者であれば、現場仕事でのケガは「元請の労災保険」を使いますが、一人親方は労働者ではないため、元請の保険も使えないのです。

一人親方労災保険はどんな保険?(特別加入制度について)

通常の労災保険は、労働者が仕事中のケガや通勤途上で事故にあってしまった場合の負傷・疾病・障害・死亡等に対して保険給付を行う国の保険制度です。

この制度は基本的に労働者を対象としているため、一人親方や株式会社などの役員等の労働者でない者は対象外とされています。

しかし、対象外とされた方々も、労働災害にあう危険性は通常の労働者と変わらず、その業務の実情、災害の発生状況などからみて労働者と同じように保護することが適当といえる方々もいます。

そこで、これらの方々も労災補償を受けることができるように、特別に労災保険の任意加入が認められています。これが一人親方労災保険の特別加入制度です。

なぜ一人親方労災保険に加入するのか?

建設業の一人親方さんが労災保険に特別加入する理由の多くが、「元請に言われたから」、「一人親方労災保険に特別加入しないと現場に入場できないから」です。

建設工事現場に入るためには一人親方労災保険に加入すること=自動車を運転するためには自動車運転免許証を取得することと同じ意味です。

一人親方労災保険に特別加入する費用等は、稼ぐための必要経費と考えたほうがいいかもしれません。

一人親方労災保険に加入する方法

次に、一人親方労災保険に特別加入する方法について説明します。

建設業の一人親方労災保険は、各都道府県の労働局が承認した一人親方組合を通じて特別加入することになります。

一人親方さんが、直接労働基準監督署に行き労災保険に特別加入することはできません。

一人親方労災保険RJCは、建設業専門の一人親方労災保険を取り扱っています。

なお、株式会社などの役員の方で、従業員を雇用していない場合も一人親方として労災加入できます。

金額はいくら?

給付基礎日額とは?

給付基礎日額とは、保険料や、休業(補償)給付などの給付額を算定する基礎となるもので、申請に基づいて、労働局長が決定します。

給付基礎日額が低い場合は、保険料が安くなりますが、その分、休業(補償)給付などの給付額も少なくなりますので、十分ご留意の上、適正な額を申請してください。

一人親方労災保険に加入できる方

建設業における一人親方とは、個人事業主の代表者又は法人の役員等として一人で事業に従事する方、もしくは年間のべ100日未満しか労働者を使用しない方を言います。

労働者を使用する場合であっても、年間の使用日数が100日未満ならば一人親方に該当します。具体的には以下のいずれかに当てはまる場合は、一人親方に該当すると考えられます。

なお、個人・法人は問いません。

  • ・会社に雇用されずに、個人で仕事を請け負っている。
  • ・特定の会社からのみ仕事を受注するが、その会社と請負で仕事を行っている。
  • ・グループで仕事をしているが、お互いに雇用関係はない。
  • ・見習いをしているが、見習い先とは雇用関係にない。

対象職種

建設業で一人親方労災保険に特別加入できる職種は下記です。

特に職種の限定はなく、土木・建築その他の工作物の建設・改造・保存・修理・変更・破壊もしくは、解体又はその準備の作業(設計・監理業は除く)に従事している者及びその家族従業者が対象です。

・建設現場での解体作業 ・大工  ・電気工事  ・配管工事  ・造園工事  ・内装工事  ・内装仕上工事  ・ガス工事  ・とび  ・足場作り  ・ガラス工事  ・道路工事  ・橋げた工  ・鉄筋工事  ・土木工事  ・左官工事  ・屋根工事  ・ほ装工事  ・タイル、れんが、ブロック工事  ・石工事  ・板金工事  ・塗装工事  ・防水工事  ・フィルム工事  ・熱絶縁工事  ・水道工事  ・さく井工事  ・建具工事  ・消防施設工事  ・掘削工事

※ 上記の職種以外にも建設業で特別加入に該当する場合があります。ご不明な点がございましたらお問い合わせください。

造園工事の補償範囲について

「樹木の剪定のみ」「除草のみ」で請負われたお仕事は、【建設業】に該当しないため、事故が発生しても補償対象外となる可能性があります。

その旨をご了承いただける方のみ、加入のお手続きを進めることができます。

その確認が取れるまでは手続きのご案内が保留となります。あらかじめご了承ください。

※ 一人親方労災保険RJCからの電話連絡は【0120-931-519】の番号より発信いたします。

現場管理の補償範囲について

建設業の実作業(職人と同様の作業)による事故は補償対象ですが、それ以外の仕事(事務所内での打ち合わせや見積作業等)中の事故は補償対象外となります。

その旨をご了承いただける方のみ、加入のお手続きを進めることができます。

その確認が取れるまでは手続きのご案内が保留となります。あらかじめご了承ください。

※ 一人親方労災保険RJCからの電話連絡は【0120-931-519】の番号より発信いたします。

保守、メンテナンスの補償範囲について

「機械の保守、メンテナンス作業」で請負われたお仕事は、【建設業】に該当しないため、事故が発生しても補償対象外となる可能性があります。

その旨をご了承いただける方のみ、加入のお手続きを進めることができます。

その確認が取れるまでは手続きのご案内が保留となります。あらかじめご了承ください。

※ 一人親方労災保険RJCからの電話連絡は【0120-931-519】の番号より発信いたします。

加入時健康診断

次に、加入時健康診断について説明します。

加入する際、過去に一定の業務に一定期間以上従事した一人親方さんは、特別加入時健康診断を受けていただくことになります。

特別加入時健康診断が必要な業務、期間は次の通りです。

業務の種類従事した通算期間実施する健康診断
粉じん作業を行う業務3年じん肺健康診断
振動工具使用の業務1年振動障害健康診断
鉛業務6か月鉛中毒健康診断
有機溶剤業務6か月有機溶剤中毒健康診断

この特別加入時健康診断は、予約を取ることが難しい地域がありますので注意が必要です。予約しても受診が1年以上先という地域もあります。

特別加入時健康診断の費用は国が負担しています。ただし、病院への交通費は自己負担です。

特別加入時健康診断を受診後、3か月程度で管轄の労働局から特別加入の承認・不承認の連絡があります。

特別加入が制限される場合もありますので、特別加入時健康診断に該当すると思われる一人親方さんは、できるだけ早く加入手続きをしておくとよいでしょう。

粉じん作業を行う業務

土石、岩石又は鉱物を掘削する場所における作業

岩石又は鉱物を裁断し、彫り又は仕上げする場所における作業

研磨剤の吹き付けにより研磨、又は研磨剤を用いて動力により、岩石・鉱物もしくは金属を研磨、ばり取り、金属を裁断する場所における作業

セメント・フライアッシュ又は粉状の鉱石、炭素原料もしくは炭素製品を乾燥し、袋詰めにし、積み込み、又は積み降ろす場所における作業

振動工具使用の業務

次に掲げる振動工具(圧搾空気を動力源とし、又は内燃機関、電動モーター等の動力により駆動される工具で身体局所に著しい振動を与えるものに限る)を取り扱う業務

  • 削岩機
  • チッピングハンマー
  • コーキングハンマー
  • ハンドハンマー
  • コンクリートブレーカー
  • スケーリングハンマー
  • サンドランマー
  • チェーンソー
  • ブッシュクリーナー
  • エンジンカッター
  • 携帯用木材皮剥ぎ機
  • スィング研削盤
  • 卓上研削盤
  • 上記に掲げる振動工具と類似の振動を身体局所に与えると認められる工具

鉛業務

鉛化合物を含有する釉薬を用いて行なう施釉又は当該施釉を行なった物の焼成の業務

自然換気が不十分な場所におけるはんだ付けの業務

ゴム若しくは合成樹脂の製品、含鉛塗料又は鉛化合物を含有する絵具、釉薬、農薬、ガラス、接着剤等を製造する工程における鉛等の溶融、鋳込、粉砕、混合もしくはふるい分け又は被鉛若しくは剥鉛の業務

鉛装置の破砕、溶接、溶断又は切断の業務

有機溶剤業務

有機溶剤とは主にキシレン、N・N-ジメチルホルムアミド、スチレン、テトラクロルエチレン、1・1・1-トリクロルエタン、トリクロルエチレン、トルエン、ノルマルヘキサン等を言います。

  • 有機溶剤等を製造する工程における有機溶剤等のろ過、混合、攪拌、加熱又は容器もしくは設備への注入の業務
  • 有機機溶剤含有物を用いて行う印刷の業務
  • 有機溶剤等を用いて行うつや出し、防水その他物の面の加工の業務
  • 接着のためにする有機溶剤等の塗布の業務
  • 接着のために有機溶剤等を塗布された物の接着の業務
  • 有機溶剤等を用いて行う洗浄又は払拭の業務

特定業務に該当する可能性が高い職種について

塗装工事、防水工事、鍛冶工事、溶接工事、はつり工事等を行われている方は、「特定業務に従事していない」でお申込みいただいた場合でも、一人親方労災保険RJCからお仕事内容確認のご連絡をいたします。

また、その確認が取れるまでは手続きのご案内が保留となります。あらかじめご了承ください。

※ 一人親方労災保険RJCからの電話連絡は【0120-931-519】の番号より発信いたします。

金額はいくら?

加入できない場合

加入時健康診断を受けた結果、次の場合には特別加入が制限されます。

・特別加入予定者がすでに疾病にかかっており、その症状又は障害の程度が一般的に就業することが困難であって、療養に専念しなければならないと認められる場合
→従事する内容にかかわらず特別加入は認められません。

・特別加入予定者がすでに疾病にかかっており、その症状又は障害の程度が当該業務からの転換を必要とすると認められる場合
→当該業務以外の業務についてのみ特別加入が認められることとなります。

一人親方労災保険の補償内容

一人親方労災保険に特別加入をすると、仕事中や現場への通勤途中の災害に対して一般の労働者と同じように補償がうけられます。

一人親方労災保険に特別加入することで、下記のようなメリットがあります。

・現場に入場する際、安全書類の提出がスムーズにできる。
・「労災保険に特別加入している」ことをアピールできるため、仕事の受注がしやすくなる。
・仕事中にケガをしても、無料で治療が受けられる。
・治療のために休業した場合、給付基礎日額に応じた額の休業補償の給付がある。
・通勤途上で事故にあった場合(通勤災害)、補償が受けられる。
・障害が残った場合、障害の程度と給付基礎日額に応じた額の障害補償がある。
・仕事中の事故で死亡した場合、一定の遺族に遺族の人数と給付基礎日額に応じた額の遺族補償がある。

従業員を雇ったら一人親方労災保険の補償は受けられない?

一人親方労災保険は、一人で建設業を営んでいる一人親方さんと同居の親族のうち建設現場で仕事をする人が労災または通勤災害時の補償を受けることができる制度であることは、すでに説明した通りです。

では、一人親方労災保険に加入されている一人親方さんが従業員を雇ったら、加入中の一人親方労災保険では労災保険の補償を受けられないのでしょうか。

そうではありません。

現場で建設工事をする従業員を雇ってから3か月+10日の100日未満であれば、従業員がいても労災保険の補償を受けることができます。

現在、建設業の一人親方労災保険に特別加入中の方から、「従業員を雇ったから、すぐに一人親方労災保険をやめて中小事業主の特別加入に変更しなければならない」と言われた。とお電話をいただくことがあります。

まず、雇った従業員が続くかどうか1か月から3か月程度様子を見てから、中小事業主の特別加入に変更しても遅くはありません。

一人親方労災保険と確定申告について

一人親方労災保険に特別加入した際に必要な経費は、次の通り確定申告で所得控除することができます。

・入会金、会費は消費税等非課税で経費として算入できます。一部の一人親方労災保険組合は消費税等が課税される場合もありますので組合に確認が必要です。
仕訳は、入会金○○円/現金○○円、諸会費□□円/現金□□円となります。
※ 他にもすでにお使いの勘定科目があるかもしれません。

・労災保険料は、社会保険料控除として所得から控除することができます。

余分な税金を支払わないためにも、無料税務相談や税理士にご相談されることをお勧めします。

以上で一人親方労災保険の概要がお分かりいただけたかと思います。

日本全国にたくさんの一人親方労災保険組合がありますので、安くて、早くて、安心できる一人親方労災保険組合を比較サイトで探してみるのも一つですね。

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