損したくない一人親方さん必見! 確定申告のウソ・ホント

 

一人親方として仕事をはじめたら、税務署に開業届と提出し、確定申告をする必要があります。
確定申告のことは知っていても、「まあいいや」と後回しにしていたり、申告していない状態が続いていたり……。
この記事では、確定申告にまつわるウソ・ホント話や申告していないデメリットについて解説します。

1.確定申告はしない方がいいってホント?

はじめに言っておきますと、「確定申告をしなくてもいい」人はいますが、「確定申告をしない方がいい」人はいません。

確定申告は、収入に対する納税金額を申告する制度です。 税の計算の元になるのは、収入ではなく課税所得の金額です。

個人で事業を行っている場合、売上から必要経費と社会保険料などを引いて、課税所得を出します。
計算の結果、納税額が決まります。

納税額は常にプラスではなく、差し引く額によってはゼロになったり、マイナスになったりすることもあります。
所得がゼロ以下であれば、税金も当然ゼロです。 そのため、収入の額によっては「確定申告をしなくてもいい」人もいるのです。

2. デメリットその1 無申告加算税

確定申告をしなければならない一人親方がそれを怠るとどのようなデメリットがあるのでしょうか。

所得税法では毎年1月1日から12月31日まで所得について、翌年2月16日から3月15日までの間に確定申告をして、所得税をおさめることになっています。
うっかり期限を過ぎて申告した場合は、期限後申告の扱いになります。

期限後申告になると、納付すべき税額に対し、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の上乗せをした無申告加算税が課されます。
ただし、いくつかの条件を満たせば、無申告加算税は課されません。

3. デメリットその2 延滞税

納付が定められた期限に遅れた場合、法定納期限の翌日から完納する日までの延滞税を併せて納付する必要があります。
延滞税の割合は年度によって異なります。詳しくはこちらをご確認ください。

4. 建設業の方は気をつけて

一人親方とは、労働者を雇わずに事業を行う方のことをいいます。
個人事業主=一人親方として思われがちですが、実は違います。

ポイントは「労働者を雇わない」というところですので、〇〇株式会社の代表取締役であっても、現場で働く従業員を雇っていなければ一人親方です。

一人親方は建設業を営む方々のほか、タクシードライバーや林業に関わる方も含まれます。
従業員を雇用していても、年間の雇用日数が100日未満の方も一人親方となります。

一人親方の中でも、特に建設業の一人親方さんの確定申告は注意が必要です。 それはどうしてでしょうか。

5. 建設業の一人親方さんが気をつけるワケ

独立してひとりで仕事をするには信用が必要です。
個人で実績もない工務店に何千万もする建設工事を依頼しようと思うお客さまはいません。

そこで重要になってくるのが建設業許可です。

いわゆる軽微な工事(建築一式工事以外の専門工事の場合、1件の請負代金が500万円未満の工事)だけを請け負っている場合でも、建設業許可があるかないかでは大きく信用度が変わってきます。

許可を持っていないために金額の大きな工事の契約ができなかったり、銀行の融資を受けられなかったりすることもあります。

6. 建設業許可を取りたい!

建設業の一人親方さんは建設業許可を取りたいと思っています。
ただし、取りたいからと言って誰でも簡単に取れるものではありません。
だって許可ですから。

許可とは「やってはいけないことを、ある条件をクリアした人にだけ特別にやってもいいことにする」ことです。

自動車の免許も「許可」です。
自動車は無免許では運転してはいけませんよね。
何しろ走る凶器ですから、運転するにはきちんと訓練を受け、運転に関する知識を持った人でないといけません。

7. 建設業許可が取れない?

建設業許可を取得するには、いくつかの要件があります。
その中のひとつ、「経営業務の管理責任者としての経験が5年以上あること」というものがあります。

これは簡単に言うと経営の経験のことです。
法人の場合、取締役などの役員経験、個人の場合は事業主としての経験です。

多くの一人親方さんは「なんだそんなことか」と思うかもしれません。
実際に工事を行っていて売上もあるのですから当然ですよね。

問題なのは、この事業主としての経験をどうやって証明するのか、ということです。

実はこれが確定申告です。
事業を行っていても確定申告をしていない一人親方は経営経験がないと見なされ、建設業許可を取ることができません。

あとからさかのぼって申告しようとしても、無申告加算税や延滞税がかかりますから、なかなか大変です。
建設業許可を取るために、300万円以上の無申告加算税などを支払った一人親方さんもいます。

8. 確定申告で損しないためには

建設業の一人親方さんが確定申告で損をしないためには、まず毎年きちんと期限内に申告することです。
そして、ただ申告するのではなく、将来の建設業許可取得に向けて意味のある確定申告をする必要があります。

建設業許可の5年の経営経験のことは建設業を行っている一人親方さんなら何となく知っているのではないでしょうか。
「今すぐ建設業許可を取れないなら仕方ないよね」「建設業許可は取りたいけどまだ開業して3年だから無理でしょ?」と思って何も準備をしていない、という人がとても多いです。

では、5年確定申告をすれば建設業許可は取れるのでしょうか?

残念ながら、建設業許可はそんなに甘いものではありません。
許可を取るための確定申告のポイントがいくつかあるのです。

9. 相談は「建設業許可専門」行政書士へ

建設業許可などの「許認可」の申請業務は専門知識を持った行政書士に依頼するのが良いでしょう。
行政書士の仕事は幅広く、許認可申請以外にも遺言書の作成や内容証明の作成など様々です。

人によって専門分野が分かれていますので、依頼する場合は「建設業許可」に特化した専門の行政書士を探すことをおすすめします。
せっかく依頼したのに許可が取れないまま先生と音信不通になってしまった、なんて笑えない話も耳にします。

10. まとめ

いかがでしたでしょうか?

確定申告で損をしないために、無申告加算税や延滞税などの基礎知識や建設業の一人親方さんのための確定申告について説明してきました。

確定申告のやり方については、国税庁ホームページに詳しい記載があります。
インターネットを使って簡単に申告することもできますので、ぜひご利用してみてはいかがでしょうか?

(国税庁ホームページ:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kakutei.htm

監修者の紹介

一人親方労災保険RJC アドバイザー

林 満

はやし みつる

1971年に労働省(現厚生労働省)愛知労働基準局に入局。その後、労働基準監督署にて労災補償および適用業務の実務を担当。2002年に愛知労働局労災補償課 職業病認定調査官、2011年に同局労災補償課 調整官などを歴任。2022年の退職に至るまで、50年以上にわたり労災保険の実務に携わってきた労災保険業務に関するエキスパート。
現在は、一人親方労災保険RJCアドバイザーや大手ゼネコン竹中工務店名古屋支店 労災業務を担当しながら、労災保険特別加入制度の普及や災害防止活動に取り組んでいる。

関連コラム

一人親方労災保険とは 保険料等について 番号がわかるまで 組合案内 NEW! マイページを登録するメリット NEW! 毎月払い 重要! 元請建設会社さまへ 一人親方とは 特別加入できる工事業種例 振動工具一覧表 保険料月割算定基礎額表 保険給付 加入者証について 加入可能地域 報告書類 社会保険未加入事業所対策 よくあるご質問 確定申告について お問合せフォーム リーフレット一覧 参考資料一覧 関連サイト リンク集 東日本大震災の復興作業について(除染作業) 一人親方労災保険RJCについて 労災保険指定医療機関検索(外部ページ) サイトマップ メルマガバックナンバー 月刊一人親方バックナンバー 加入申込み事例 労災事故事例 メールが届かないときは?