確定申告しないと一人親方ではない?
一人親方であっても確定申告をしていない人も少なからずいるようです。
一人親方が確定申告していないとどうなるか、順を追って説明します。
この説明は、建設業の一人親方を中心にしています。
※ 陶芸家など芸術系の一人親方、1人でアプリ開発などをしている個人事業主は含まれませんのでご注意ください。
確定申告をしないデメリット
確定申告をしない、忘れたときは次のようなデメリットが待っています。
・無申告加算税
各年分の無申告加算税は、原則として、納付すべき税額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の割合を乗じて計算した金額です。
税務署の調査前に自主的に期限後申告をした場合には、この無申告加算税が5%の割合を乗じて計算した金額に軽減されます。
期限後申告によって納める税金は、申告書を提出した日が納期限となりますので、その日に納めなければなりません。
参考)No.2024 確定申告を忘れたとき
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2024.htm
・延滞税
税金が定められた期限までに納付されない場合には、原則として法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて、利息に相当する延滞税が自動的に課されます。
また、延滞税の計算方法については、国税庁ホームページでご確認ください。
参考)No.9205 延滞税について
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/osirase/9205.htm
・金融機関からの融資が受けられない、子どもが保育園に入れない、家が買えない……
確定申告書、課税証明書、納税証明書がなければ世の中のいろいろなサービスを受けることができません。
・建設業許可が取れない
建設業許可申請をするにあたり、納税証明書の添付が義務付けられています。確定申告をしていなければ納税証明書は発行されませんので建設業許可は取れず、仕事も取れないことになります。
建設業許可申請する際には、事業主経験を証明するために確定申告書の提出が求められます。更に、申請書には納税証明書の添付も必要となるため、建設業許可を取得したい一人親方は毎年確定申告をする必要があります。
確定申告をするメリット
確定申告をしないデメリットの逆です。
無申告加算税は支払わなくて済む、金融機関へ融資の申し込みができる、建設業許可取得の希望が持てる、などです。
まずは「開業届」を管轄の税務署に提出します。
従業員を雇ったら、「給与支払事務所等の開設届出書」も一緒に提出します。
源泉徴収した従業員の所得税は、毎月支払わなければなりません。それを半年単位で支払うことができるようにするために「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出しておきます。
青色申告を選択する場合は、「青色申告承認申請書」の提出をします。
その際に、奥様など同居の親族に給与を支払うなら「青色事業専従者給与に関する届出書」も提出しましょう。
では、青色申告を選ぶかどうか? です。
白色申告と青色申告の違い
個人事業の確定申告には、紙の色で区分されています。
真っ白な紙で申告するのが「白色申告」、青い紙で申告するのが「青色申告」です。
青色申告を選ぶと「複式簿記」で帳簿を作成し、貸借対照表および損益計算書を作成する必要があります。
これができるなら、メリットを受けることができます。
青色申告のメリット
1.所得金額から65万円または10万円の控除を受けることができる
2.青色事業専従者控除として配偶者は最高86万円、15歳以上の親族は最高50万円が所得から差し引くことができる
3.赤字の場合の繰越損失が3年間できる
4.貸倒引当金を計上できる
白色申告のメリット
1.複式簿記は不要でお小遣い帳程度でO K
2.貸借対照表、損益計算書の作成不要
とにかく簡単に確定申告したい方には便利な方法です。
一人親方にとって確定申告は絶対にやらなければならないものです。
よくわからない一人親方は、白色申告から始めるのも良いかもしれません。