コーヒー1杯で労災保険が使えない!「少しだけ寄った」が危ない通勤災害の話

公開日 / 2026年6月26日
最終更新日 / 2026年6月29日
この記事はこんな方におすすめです
  • 一人親方労災保険への加入を考えている方
  • 通勤中の事故が労災保険の補償対象になるか知りたい方
  • 建設業で現場へ直行直帰している一人親方の方
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はじめに

朝5時。

まだ空も少し暗い中、一人親方さんは今日も現場へ向かいます。

「よし、今日も安全第一!」

そう思った次の瞬間。

「その前にコンビニでコーヒー買おう。」

ガラガラ…。

ウィーン…。

ピッ。

ホットコーヒーを片手にご満悦。

しかし実は、その何気ない行動が労災保険の補償対象に大きく関係することをご存じでしょうか?

「え?コーヒー買っただけだよ?」

そう思いますよね。

実は通勤災害には、一人親方さんが知らない落とし穴があるのです。

今回は、一人親方労災保険の通勤災害について、できるだけわかりやすくお話しします。

1.通勤災害なら労災保険の補償対象

まずは安心してください。

一人親方労災保険に加入している方は、仕事へ向かう途中や帰宅途中の事故について、通勤災害として補償を受けられる可能性があります。

例えば、

・自宅から現場へ向かう途中
・現場から自宅へ帰る途中
・いつも使っている通勤ルートでの事故

このようなケースです。

建設業の一人親方は毎日同じ会社へ出勤するわけではありません。

今日は名古屋。

明日は岐阜。

来週は三重。

まるで旅人のような働き方です。

それでも、その日の現場へ向かう途中であれば、通勤として扱われます。

つまり、

自宅
↓
現場

という移動中であれば、国の労災保険の補償対象になる可能性があります。

「直行直帰だから対象外でしょ?」

と思われることもありますが、そんなことはありません。

むしろ建設業の一人親方だからこそ、通勤災害の補償はとても大切です。

2.コンビニに入ると補償対象外?

ここからが今日の本題です。

突然ですが問題です。

朝の現場へ向かう途中、コンビニでホットコーヒーを買いました。

その後、駐車場で転倒しました。

さて、労災保険の補償対象になるでしょうか?

答えは…

「対象外になる可能性があります。」

えぇーーー!

という声が聞こえてきそうですね。

実は労災保険には「中断・逸脱」という考え方があります。

中断・逸脱とは、本来の通勤ルートから外れたり、通勤を一時的にやめたりすることです。

例えば、

自宅
↓
コンビニ
↓
現場

このルートです。

コンビニに寄ったのはたった3分かもしれません。

コーヒー1杯かもしれません。

肉まんを見て悩んだだけかもしれません。

それでも店内へ入った時点で、通勤が中断されたと判断される可能性があります。

つまり、

「コーヒー1杯で人生は変わらない」

けれど、

「コーヒー1杯で労災の扱いは変わる」

ことがあるのです。

これは意外と知られていません。

毎朝当たり前のようにコンビニへ寄る方ほど注意が必要です。

3.一人親方が気を付けたい通勤ルール

難しい話をしましたが、覚えることは意外とシンプルです。

〇 補償対象になりやすい例

自宅
↓
現場

現場
↓
自宅

いつもの通勤ルートを移動

いわゆる、

「まっすぐ行って、まっすぐ帰る」

です。

小学生の下校ルールみたいですが、実はとても大事です。

一方で、

× 補償対象外になる可能性がある例

自宅
↓
コンビニ
↓
現場

自宅
↓
銀行
↓
現場

自宅
↓
友人宅
↓
現場

このように仕事とは関係のない目的で寄り道すると、中断・逸脱と判断される可能性があります。

もちろん実際は個別の事情によって判断されます。

ただ、一人親方さんが覚えるなら、

「現場まで一直線!」

これが一番わかりやすいです。

朝のコーヒーは現場近くで買う。

昼ご飯は休憩時間に買う。

そう考えておくと安心ですね。

4.まとめ

一人親方労災保険では、通勤災害も大切な補償対象です。

しかし、通勤途中のコンビニや銀行への寄り道は「中断・逸脱」と判断され、

労災保険の補償対象外になる可能性があります。

たった数分の寄り道でも、いざという時の補償に影響することがあります。

 

建設業の一人親方さんは、

「現場へはまっすぐ行く!」

これだけ覚えておけば大きな間違いはありません。

 

万が一のケガや事故からご自身を守るためにも、国の特別労災への加入と正しい知識を身につけておきましょう。

一人親方労災保険についてご不明な点がありましたら、建設業専門の一人親方労災保険RJCまでお気軽にお声がけください。

 
監修者の紹介

林満

元厚生労働省 厚生労働事務官
厚生労働大臣承認 愛知労働局承認
一人親方労災保険RJC アドバイザー

林 満

はやし みつる

1971年に労働省(現厚生労働省)愛知労働基準局に入局。以降、名古屋東労働基準監督署や瀬戸労働基準監督署、愛知労働局で労災補償課および労働保険適用課にて奉職。適用指導官、職業病認定調査官、労災第一課長、労災保険審査官、労災管理調整官を歴任。特に特別加入制度の手続きや給付に関する相談対応に精通し、職業病認定調査官や労働者災害補償保険審査官としても活躍。2022年までの50年以上にわたる実務経験を持つ労災保険のエキスパート。現在はスーパーゼネコンの安全協力会において特別加入の相談指導を行っている。