仮加入中に事故!健康診断未受診でも労災は使える?!

公開日 / 2026年10月7日
最終更新日 / 2026年10月7日
この記事はこんな方におすすめです
  • 加入時健康診断をまだ受けていない方
  • 健康診断を受ける前に事故が起きた方
  • 特別加入申請が取下げになった場合の費用が気になる方
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はじめに

今回は、一人親方労災保険RJCへ
お電話で寄せられたご相談をご紹介します。

ご相談いただいたのは
安藤さん(仮名)です。

安藤さんは
一人親方労災保険への特別加入を申込み、
費用も支払っていました。

ただし、

加入時健康診断を受ける必要がありましたが、
健康診断を受診しないままでいました。

その後、
現場で転落事故が起きました。

加入状況を確認したところ、
健康診断未受診により
特別加入申請はすでに取下げとなっていました。

そのため、
事故が発生した時点でも
特別加入は成立していませんでした。

そこで安藤さんから、

「労災を使えなかったのであれば。
支払った費用は返金されないの?」

というご相談がありました。

この記事では、

加入時健康診断を受けなかった場合に
特別加入の手続きがどうなるのか

また、

今回のように申請が取下げになった場合の
費用について

実際の相談をもとにご紹介します。

1.健康診断を受けないまま事故が起きた

安藤さんから最初にあったご相談は、

仕事中に起きた転落事故について
一人親方労災保険を使えるか?

というものでした。

安藤さんは
一人親方労災保険へお申込みをして
費用も支払っていました。

ただし、

加入時健康診断を受ける必要がありましたが
受診していませんでした。

「費用は払っているから
労災保険に入っているのでは?」

と思う方もいるかもしれません。

しかし、

費用を支払ったことだけで
特別加入が成立したとは限りません。

今回のケースでは、

安藤さんの加入状況を確認したところ、
事故が発生した時点で
特別加入は成立していませんでした。

2.なぜ加入時健康診断が必要だった?

一人親方労災保険へ特別加入する人の
全員が健康診断を受けるわけではありません。

過去に一定の業務を
一定期間以上行っている場合、

特別加入時に健康診断が
必要になることがあります。

対象となる主な業務は、

  • 粉じん作業を行う業務
  • 振動工具を使用する業務
  • 鉛業務
  • 有機溶剤業務

です。

それぞれ
加入時の健康診断が必要となる従事期間が
定められています。

加入時健康診断の対象になった場合は、
指定された手続きに沿って
健康診断を受ける必要があります。

安藤さんについても、

特別加入の手続きを進めるために
健康診断の受診が必要でした。

RJCから受診予約について
複数回ご連絡していましたが、

期限までに受診予約を
確認できませんでした。

3.健康診断未受診で加入申請が取下げになった

安藤さんについては、

加入時健康診断を受診できなかったため
特別加入申請の取下げ手続きが
行われていました。

取下げとなったことについては
郵送でもご案内していました。

ここで大切なのは、

今回のケースでは
一度成立した特別加入から脱退したのではなく、
特別加入自体が成立していなかったことです。

そのため

仕事中に事故が起きた時点でも
安藤さんの特別加入は
成立していませんでした。

今回の事故については、

一人親方労災保険の
特別加入者として
労災請求をすることはできませんでした。

「仮加入と聞いていたから大丈夫」

「費用を払っているから大丈夫」

と考えるのではなく、

健康診断の対象になった場合は
書類がお手元に届いたら受診できる医療機関へ予約をし、
早めに健康診断を受診することが重要です。

4.加入できなかったら支払った費用は返金される?

労災請求ができないことを知った後、

安藤さんから次のご質問がありました。

「結局、保険を使えなかったので
支払った費用は返金してもらえませんか?」

安藤さんとしては、

1年間分として費用を支払ったものの
特別加入は成立していませんでした。

さらに、

事故についても
一人親方労災保険を
利用することができませんでした。

そこで、

支払った費用を
病院代に充てたいというお話もありました。

今回のケースでは、

お申込み後、
RJCで特別加入に向けた
申請手続きや事務処理を行っていました。

そのうえで、

お申込み時にご確認いただく
RJCの会則に基づき、
今回の支払済み費用は返金対象とはなりませんでした。

これは今回の安藤さんの
申込み状況についての回答です。

特別加入団体によって
費用や返金の取扱いが
同じとは限りません。

申込みをする際は、

費用だけではなく
キャンセルや取下げ時の取扱いも
確認しておきましょう。

5.健康診断の案内が届いたら早めに予約しよう

今回の相談で特に注意したいのが、

加入時健康診断を
後回しにしないことです。

加入時健康診断の対象になった場合、

書類が届いたら
まず受診できる医療機関へ
早めに予約をしてください。

地域や時期によっては、

希望する日時に
すぐ予約できない場合もあります。

「まだ時間がある」と考えず、
書類が届いたら早めに予約することが大切です。

健康診断を受診してからも、

結果の確認や
特別加入の手続きに
時間がかかる場合があります。

現場へ入る予定が決まっている場合は、

直前になってからではなく
余裕を持って手続きを進めましょう。

6.健康診断や加入状況が分からないときはRJCへご相談ください

「自分は健康診断の対象なの?」

「健康診断をまだ受けていないけど
今の加入状況はどうなっている?」

「事故が起きたけど
自分は正式に加入できている?」

このような場合は、

自己判断せず、
一人親方労災保険RJCへ
お問い合わせください。

特に

事故が発生した場合は、

現在の加入状況と
事故が発生した日時を確認することが
重要です。

健康診断の手続きが途中の場合も、

現在どの段階まで
手続きが進んでいるのかを
確認してください。

7.まとめ

今回は、

加入時健康診断を受診しないまま
特別加入申請が取下げとなり、

その後に仕事中の事故が起きた
安藤さん(仮名)からのご相談でした。

安藤さんは、

費用を支払っていたものの
健康診断未受診により
特別加入申請が取下げとなっていました。

そのため、

事故が発生した時点でも
特別加入は成立しておらず、

今回の事故について
一人親方労災保険として
労災請求することはできませんでした。

また、

「加入できなかったのなら
支払った費用を返金してほしい」

というご相談についても

今回のケースでは、

RJCがお申込み後に
申請手続きや事務処理を行っていたため

会則に基づき
返金対象とはなりませんでした。

加入時健康診断が必要と案内された場合は、
受診を後回しにせず
できるだけ早く予約しましょう。

また、

「仮加入と言われているけど大丈夫?」

「健康診断をまだ受けていない」

という場合は、

現在の加入状況を
RJCへ確認してください。

実際に労災保険給付の対象となるかについては、
事故の状況や加入状況などをもとに
労働基準監督署長により個別に判断されます。

 
監修者の紹介

林満

元厚生労働省 厚生労働事務官
厚生労働大臣承認 愛知労働局承認
一人親方労災保険RJC アドバイザー

林 満

はやし みつる

1971年に労働省(現厚生労働省)愛知労働基準局に入局。以降、名古屋東労働基準監督署や瀬戸労働基準監督署、愛知労働局で労災補償課および労働保険適用課にて奉職。適用指導官、職業病認定調査官、労災第一課長、労災保険審査官、労災管理調整官を歴任。特に特別加入制度の手続きや給付に関する相談対応に精通し、職業病認定調査官や労働者災害補償保険審査官としても活躍。2022年までの50年以上にわたる実務経験を持つ労災保険のエキスパート。現在はスーパーゼネコンの安全協力会において特別加入の相談指導を行っている。