【これって大丈夫?】一人親方?それとも従業員?あなたの働き方を見直すポイント

この記事はこんな方におすすめです
  • 「一人親方ってどういう働き方なの?」 と疑問に思っている方
  • これから一人親方として独立を考えている方
  • こんな「自分は一人親方だと思ってたけど、もしかして従業員として扱われるべきだった?」 と不安を感じたことがある方

 

 

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1.知っておきたい「一人親方」と「従業員」の本当の違い

 

建設現場で働く皆さん、こんにちは!

 

一人親方」と「従業員」、この二つの言葉を毎日耳にしているかもしれません。

でも、この二つの違い、実はあいまいなままにしている人が結構いるんです。

特に、建設業界では「一人親方」という形で働く人がたくさんいます。

自分の力で仕事を請け負い、頑張る姿はとてもかっこいいですよね。

 

でも、ちょっと待ってください。

もしかすると、自分では「一人親方」だと思っていても、法律から見れば「従業員」と判断されてしまうケースがあるのを知っていますか?

 

もしそうだった場合、万が一の事故でケガをしてしまっても、本来もらえるはずの労災保険が使えなかったり、大きなトラブルに巻き込まれたりする可能性が出てきます。

 

これは、自分の身を守るためにも、絶対に知っておかなければならない大切なことです。この記事では、建設業の一人親方と従業員の違いについて、シンプルに、そして大事なポイントをしっかりとお伝えします。

 

2.一人親方と従業員って何が違うの?

 

一番大きな違いは、「雇用契約を結んでいるかどうか」です。

 

従業員:会社と「雇用契約」を結び、給料をもらって働きます。

 会社は従業員に仕事の内容や進め方を細かく指示し、従業員はその指示に従って仕事をします。

 

一人親方:会社とは「請負契約」を結び、仕事の完成に対して報酬をもらいます。

仕事の進め方や作業時間、休むタイミングなどは自分で決めます。

 

つまり、会社から「雇われているかどうか」が大きな分かれ道になります。

従業員は会社のルールに従いますが、一人親方は自分の裁量で仕事を管理します。

これが基本的な考え方です。

 

でも、現実の建設現場では、この線引きがとてもあいまいになっていることがよくあります。

 

例えば、あなたは一人親方として現場に入ったとします。

・毎日決まった時間に現場に来るように言われる

・作業のやり方や使う道具を、元請けや会社の担当者から細かく指示される

・他の従業員と同じように、タイムカードを押すか、出勤簿にサインする

・ケガで休むときや有給休暇の制度はないのに、会社の都合で現場が休みになることがある

 

もし、これらが当てはまるなら、あなたは「請負」としてではなく、「雇用」されていると見なされる可能性があります。

これが、世間で言われる「偽装請負」です。

 

偽装請負は、労働基準法や雇用保険法など、いろいろな法律に違反する可能性がある、とても危険な行為です。

 

 

3.あなたはどっち?見極めるためのチェックリスト

 

さて、ここからは、あなたの働き方が「一人親方」と「従業員」のどちらに近いのか、具体的にチェックしていきましょう。

国土交通省が公開している資料を参考に、わかりやすく項目をまとめました。

 

このチェックリストは、一つの項目に当てはまったらすぐに「従業員」と決まるわけではありません。

いくつかの項目を総合的に見て判断することが大切です。

 

【チェックリスト】

  • 仕事の指示・管理

 従業員に近い:会社の担当者や上司から、仕事のやり方、使う道具、作業の順番などを細かく指示される。

 一人親方に近い:仕事の進め方や段取りは自分で決める。完成させることだけを求められる。

 

  • 出退勤の時間管理

 従業員に近い:会社の就業規則に従い、毎日決まった時間に出勤・退勤する。タイムカードや出勤簿がある。

 一人親方に近い:仕事の進捗に合わせて、自分の都合で作業時間を調整できる。

 

  • 賃金の計算方法

 従業員に近い:働いた時間や日数によって、給料が決まる(日給・時給)。

 一人親方に近い:工事全体を請け負うので、仕事が完成したことに対して報酬(請負代金)が支払われる。

 

  • 道具や材料の負担

 従業員に近い:仕事で使う道具や材料は、会社が用意してくれる。

 一人親方に近い:自分で道具や材料を準備し、その費用も自己負担する。

 

  • 仕事の引き受け方

 従業員に近い:会社から割り当てられた仕事を断ることができない。

 一人親方に近い:仕事の内容や条件が合わなければ、引き受けないことができる。

 

  • 他の人の手伝い

 従業員に近い:会社の指示で、他の従業員の仕事を手伝うことがある。

 一人親方に近い:自分で雇った助手や家族と働くことはあるが、会社の指示で他の人の手伝いをすることはない。

 

どうでしたか?

 

もし、あなたが「従業員」に近い項目が多かった場合、あなたは「一人親方」としてではなく、「従業員」として扱われるべき立場かもしれません。

 

労災保険は本当に大丈夫?

「自分は一人親方だから、一人親方労災保険に入ってるから安心だ!」と思っている人もいるかもしれません。

 

でも、もしあなたが「従業員」と判断されてしまった場合、一人親方労災保険は使えない可能性があります。

なぜなら、一人親方労災保険は、あくまでも「労働者ではない、一人親方」のための特別な制度だからです。

 

従業員として扱われる人は、元請けの会社が加入している「労災保険」の適用を受けるのが本来の姿です。

 

もし、間違った保険に入っていた場合、こんなことが起こるかもしれません。

 

現場で大ケガをして病院に運ばれたました。

労災保険を申請しようとしたら、「あなたは一人親方ではない」と言われ、請求が認められないと言われてしまいます。

結果として、治療費を全額自分で支払わなければならなくなってしまいました。

 

想像しただけでゾッとしますよね。

せっかく保険料を払っていても、いざというときに使えなければ意味がありません。

 

元請けの会社にとっても、従業員を一人親方として扱っていると、労働基準監督署から指導を受けたり、法律違反で罰則を受けたりするリスクがあります。

 

だからこそ、自分の働き方を正しく理解し、適切な保険に加入することが、自分自身の安全を守ることにも、業界全体の健全な発展にもつながるのです。

 

4.まとめ

 

この記事では、建設業の一人親方と従業員の違い、そして間違った働き方がもたらすリスクについてお伝えしました。

 

大事なポイントは、

・「一人親方」と「従業員」は、契約形態と働き方が全く違うということ

・曖昧な働き方は「偽装請負」と見なされるリスクがあるということ

・「偽装請負」だと、いざという時に労災保険が使えない可能性があるということ

です。

 

もし、この記事を読んで自分の働き方に少しでも不安を感じたり、「自分はどっちなんだろう?」と悩んだりしたら、一人で抱え込まないでください。

 

一番確実なのは、最寄りの労働基準監督署に相談することです。

労働基準監督署は、労働者の働き方や権利を守るための専門機関です。

あなたの働き方の実態を伝えれば、親身になって相談に乗ってくれます。

また、国土交通省の資料や、建設業界に詳しい専門家に相談するのも一つの手です。

 

正しい知識を持って、安心・安全に働けるよう、この機会にぜひ自分の働き方を再確認してみてください。

 

 

 

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監修者の紹介

林満

元厚生労働省 厚生労働事務官
厚生労働大臣承認 愛知労働局承認
一人親方労災保険RJC アドバイザー

林 満

はやし みつる

1971年に労働省(現厚生労働省)愛知労働基準局に入局。以降、名古屋東労働基準監督署や瀬戸労働基準監督署、愛知労働局で労災補償課および労働保険適用課にて奉職。適用指導官、職業病認定調査官、労災第一課長、労災保険審査官、労災管理調整官を歴任。特に特別加入制度の手続きや給付に関する相談対応に精通し、職業病認定調査官や労働者災害補償保険審査官としても活躍。2022年までの50年以上にわたる実務経験を持つ労災保険のエキスパート。現在はスーパーゼネコンの安全協力会において特別加入の相談指導を行っている。