【脱・一人親方】「従業員を雇う」ことになったら?労災保険の切り替えが必要なタイミングと手続き

この記事はこんな方におすすめです
  • 仕事が忙しくなり、初めて従業員やアルバイトを雇うことになった一人親方様
  • 「週に数回のバイトなら、一人親方労災のままでいい?」と迷っている方
  • 自分一人でやっているが、法人(会社)にしたので保険を変えるべきか悩んでいる方
はじめに

背景
建設業で事業が拡大し、一人では手が回らなくなってきたY様(仮名)。
4月から現場を手伝ってくれる従業員(またはアルバイト)を雇うことになりました。
そこでふと、「自分は今まで通り『一人親方労災』のままでいいのだろうか?」と疑問を持たれました。

問い合わせ内容
「今、RJCで一人親方労災に入っています。
来月から人を雇うことになったんですが、このままの保険で大丈夫ですか?
それとも、事業主用の保険に切り替えないといけないんでしょうか?」

結論
人を雇って「指揮命令」をしてお給料を払う立場になったら、一人親方労災は卒業です。
たとえ従業員がアルバイト1名であっても、社長ご自身は「中小事業主特別加入(事業主労災)」への切り替えが必要です。

1.「バイトだし…」「たまにだし…」一人親方のままでいいか迷っていませんか?

Y様のような方が一番悩むのは、「どこからが事業主扱いになるのか?」という線引きです。

• 「正社員じゃなくて、月10日くらいのアルバイトなんだけど…」

• 「法人化して社長になったけど、従業員はいなくて自分一人なんだけど…」

このように、「なんとなく、まだ一人親方のままで通用するんじゃないか?」と考えてしまい、手続きをためらってしまうケースが非常に多いです。

2.人を雇ったら「親方」から「社長」へ!保険は“2階建て”になります

オペレーターがY様の雇用状況を確認し、正しい保険の形をご案内しました。

「雇ったら」一人親方ではなくなる
たとえ法人になっても、従業員がいなければ「一人親方労災」のままで構いません。
しかし、アルバイトでも人を雇った時点で、法律上「一人親方」の枠組みから外れます。
この状態で一人親方労災を使い続けると、万が一の事故の際に「実態と違う(偽装一人親方)」として保険が下りないリスクがあります。

保険は「2階建て」になる
人を雇うと、保険の形が以下のようになります。

    ◦ 社長(あなた): 「中小事業主特別加入」に入る。

    ◦ 従業員: 「現場労災(労働保険)」に入る。

Y様には、現在の一人親方労災を脱退し、新しくこの「事業主用セット」に加入する手続きをご案内しました。

3.「週1回のバイト」や「家族の手伝い」はどうなる?よくある質問

「月10日のバイト雇用」:
Y様のように「フルタイムではない」場合でも、継続して雇用する予定であれば、立派な事業主として扱われます。
切り替えが必要です。

「法人化したが、従業員はいない」:
会社を作って社長になっても、従業員を使わず自分一人で現場に出ているなら、保険は「一人親方労災」のままでOKです。
無理に高い保険に変える必要はありません。

4.まとめ

重要なのは「法人か個人か」ではなく、「人を雇っているかどうか」
「事業主労災」への切り替えはRJCへご相談ください。

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監修者の紹介

林満

元厚生労働省 厚生労働事務官
厚生労働大臣承認 愛知労働局承認
一人親方労災保険RJC アドバイザー

林 満

はやし みつる

1971年に労働省(現厚生労働省)愛知労働基準局に入局。以降、名古屋東労働基準監督署や瀬戸労働基準監督署、愛知労働局で労災補償課および労働保険適用課にて奉職。適用指導官、職業病認定調査官、労災第一課長、労災保険審査官、労災管理調整官を歴任。特に特別加入制度の手続きや給付に関する相談対応に精通し、職業病認定調査官や労働者災害補償保険審査官としても活躍。2022年までの50年以上にわたる実務経験を持つ労災保険のエキスパート。現在はスーパーゼネコンの安全協力会において特別加入の相談指導を行っている。