一人親方の労災請求とは?怪我をした時の労災保険の手順を解説

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この記事はこんな方におすすめです
  • 現場で怪我をしてしまい、どうやって労災保険を使えばいいか困っている方
  • 労災請求の手続きが難しそうで、自分にできるか不安を感じている方
  • 万が一の時のために、治療費や休業補償を受け取る流れを知っておきたい方
はじめに

 

こんにちは!毎日、朝早くから厳しい現場でのお仕事、本当にお疲れ様です。
建設業の一人親方として一生懸命働いている中で、一番怖いのはやはり「現場での怪我」ですよね。

そんな時、真っ先に頭に浮かぶのは「明日からの仕事はどうしよう」「治療費はいくらかかるんだろう」という不安ではないでしょうか。

会社員とは違い、一人親方は自分が動けなくなると収入が止まってしまうため、その不安は計り知れないものだと思います。

そんな時のためにあるのが「一人親方労災保険」ですが、実は「入っているだけ」では守ってもらえません。

怪我をした後に「労災請求(ろうさいせいきゅう)」という手続きを行って初めて、治療費を無料にしたり、休業補償を受け取ったりすることができるのです。

でも、「労災請求なんて難しそう」「書類をたくさん書かないといけないの?」と、手続きを前にしてためらってしまう方も多いですよね。

そこで今回は、もしもの時にあなたとご家族を守る「労災請求」について、社会保険労務士の私が分かりやすく、丁寧にお話ししていきます

難しい専門用語はできるだけ使わずにお伝えしますので、リラックスして読んでみてくださいね。

1.労災請求とは?労災保険から給付を受けるための大切な手続き

「労災請求(ろうさいせいきゅう)」という言葉、普段の生活ではあまり聞き慣れないかもしれませんね。

簡単に言うと、「仕事中に怪我をしたので、労災保険からお金(給付)を出してください!」と労働基準監督署にお願いすることを指します。

労災保険に特別加入している一人親方の皆様は、仕事中の事故や通勤途中の怪我に対して、国から手厚い補償を受ける権利を持っています。

しかし、役所や病院が勝手に「あの一人親方さんは怪我をしたみたいだから、お金を振り込んであげよう」と動いてくれるわけではありません。

あなた自身(またはご家族などの代理人)が、「いつ、どこで、どんな風に怪我をしたのか」を正しく報告し、必要な書類を提出する「労災請求」というアクションを起こさなければ、補償は始まらないのです。

労災請求には、主に以下のような役割があります。

病院での支払いを不要にする(療養補償)

休んでいる期間の収入を補う(休業補償)

後遺症や万が一の事態に備える
将来的に障害が残ってしまった場合や、万が一のことがあった際にご遺族を守るための大切なステップでもあります。

「手続きが面倒だから、自分の健康保険(3割負担など)でいいや」と考えてしまう方もいらっしゃいますが、それは絶対に避けてください。

そもそも仕事中の怪我に健康保険を使うことは法律で禁止されていますし、何より労災保険の方が圧倒的に補償が手厚いのです。

労災請求は、怪我をしてしまったあなたが一日も早く現場に復帰するための「再出発の手続き」だと思ってくださいね。

 

 

2.現場で怪我をしたらどうする?労災請求の正しい流れと手順

 

現場で怪我をしたらどうする?労災請求の正しい流れと手順
現場で「痛っ!」となった瞬間、パニックになってしまうのは当たり前です。

でも、後からスムーズに労災請求を行うために、まずは次の流れを落ち着いて確認してください。

① 現場監督や元請会社へすぐに報告する
どんなに小さな怪我でも、必ずその場で報告しましょう。

「これくらい大丈夫」と黙ったまま現場を離れ、数日後に痛みが出てから「実はあの時の怪我です」と言っても、現場との因果関係が証明しづらくなり、労災請求が認められないケースがあるからです。いつ、どこで、どんな状況で怪我をしたか、目撃者がいたかなどを控えておくと安心です。

 

② 病院の窓口で「労災保険」を使うと伝える
ここが一番大事なポイントです。病院へ行く際は、お手元の一人親方労災保険の会員カード(加入証明書)を持参してください。

そして、受付で必ず「仕事中の怪我なので、労災保険を使います」とはっきり伝えてください。

もし、ついいつもの癖で「健康保険証」を出して精算してしまうと、後から労災請求に切り替える際に、病院での返金手続きなど非常に手間がかかることになります。

必ず「最初から労災で」と伝えるのが、スピード解決のコツです。

 

③ 労災指定病院かどうかを確認する
労災指定病院の場合: その場での支払いは「0円」になります。後日、決まった様式の書類(労災請求書)を病院に提出するだけで、治療費の手続きが完了します。

労災指定ではない病院の場合: 一旦、治療費を全額(10割)自分で立て替えて支払います。

その後、労働基準監督署に領収書と一緒に書類を出して、後からお金を返してもらう形になります。

※できるだけお近くの「労災指定病院」を探して行くことを強くオススメします。

 

④ 書類を作成して提出する
労災請求には専用の「請求書」という書類が必要です。

一人親方の場合は、私たちRJCに連絡をして、書類作成のサポートを受けてください。

一見難しそうですが、一つ一つの手順を確認しながら進めれば大丈夫ですよ。私たちのような専門家がしっかりお供します!

 

3.労災請求で受け取れる補償!治療費無料と休業中の生活サポート

 

労災請求で受け取れる補償!治療費無料と休業中の生活サポート
「労災請求をすると、具体的にどんな良いことがあるの?」と、お金や補償の内容は一番気になるところですよね。

一人親方労災保険は国が運営している非常に強力な制度なので、民間の保険にはない手厚さがあります。

治療費が「全額無料」になる(療養補償給付)
労災請求が認められると、病院での診察、手術、入院、リハビリ、お薬代などがすべて「タダ」になります。本人の自己負担は一切ありません。

しかも、これは怪我が完治するまで、あるいは症状が固定するまでずっと続きます。「お金がないから通院を我慢する」なんて悲しい思いをしなくて済むのです。

休業中の給料を補う(休業補償給付)
現場を休んでいる間、収入が途絶えてしまうのは一人親方にとって最大の死活問題ですよね。
労災請求を行うことで、療養のために仕事ができない期間、休業4日目から「給付基礎日額の約80%」が国から支給されます。

万が一の時の「遺族年金」や「障害年金」
あってはならないことですが、重い障害が残ってしまったり、命を落としてしまったりした場合も、労災請求を行うことでご遺族に年金や一時金が支払われます。

民間の生命保険だけではカバーしきれない部分を、国がしっかりと支えてくれるのです。

これらすべての補償は、正しい「労災請求」があって初めて形になります。

一人親方として、自分の身と大切な家族を守るために、この制度を正しく使いこなしていただきたいのです。

 

4.まとめ

「労災請求」と聞くと、なんだかとても難しくて、自分一人では抱えきれない問題のように感じてしまうかもしれません。

特に、現場から急に「保険に入って」と言われて慌てて加入した方や、書類仕事が大の苦手という方にとっては、ハードルが高く見えて当然です。

でも、安心してください。労災保険は、真面目に働く一人親方の皆様が、万が一の時に絶望しないために用意された「国の仕組み」です。

正しい手順で労災請求を行えば、高額な治療費に悩まされることも、休業中の生活費に怯えることもありません。

私たち「一人親方労災保険RJC」は、建設業を支える皆様が、もしもの時に迷わず適切な補償を受けられるよう、全力でバックアップしています。

「怪我をしたけれど、どう書類を書けばいいか分からない」

「元請けに報告したけど、その後どうすればいいの?」

「スマホの操作が苦手で、とにかく誰かに手伝ってほしい」

そんな不安や疑問があれば、いつでもお気軽にご相談くださいね。面倒な事務手続きや、労働基準監督署とのやり取りも、私たちが親身になってサポートいたします。

あなたが一日も早く元気になって、また笑顔で現場に立てるように。
事務手続きの不安は私たち専門家が引き受けます。

お困りごとは、「一人親方労災保険RJC」にお任せください!

 

 
監修者の紹介

林満

元厚生労働省 厚生労働事務官
厚生労働大臣承認 愛知労働局承認
一人親方労災保険RJC アドバイザー

林 満

はやし みつる

1971年に労働省(現厚生労働省)愛知労働基準局に入局。以降、名古屋東労働基準監督署や瀬戸労働基準監督署、愛知労働局で労災補償課および労働保険適用課にて奉職。適用指導官、職業病認定調査官、労災第一課長、労災保険審査官、労災管理調整官を歴任。特に特別加入制度の手続きや給付に関する相談対応に精通し、職業病認定調査官や労働者災害補償保険審査官としても活躍。2022年までの50年以上にわたる実務経験を持つ労災保険のエキスパート。現在はスーパーゼネコンの安全協力会において特別加入の相談指導を行っている。